悲情城市が教えてくれるもの

晴れ。
明日から数日は雨の予報。
気温もあまり上がらないようです。

最近歳のせいかなかなか疲れが取れません。
今朝は少し遅めに起きてゆっくり。
買い物だけ午前中に済ませてしまい、午後からは「悲情城市」を見ました。
今改めて見ると、昔とは感じるものが随分と異なります。
侯孝賢監督の余韻と含みを十分に持たせた独特のカットは今の映画にも健在。
もちろんこの作品にもなんとも言えない余韻を残すシーンがとても多く、私もその余韻に何度も浸かりました。

悲情城市
この作品は戒厳令が解除されてまもなく上映されたこともあり、台湾に大きな影響を与えました。
戒厳令下の台湾で二・二八事件に触れるのはご法度だったのだから。
登場人物は主に台湾の基隆に住む林家の四兄弟で、全体を通してみると家族の物語。
終戦後、日本が去った台湾に国民政府がやってきて台北を臨時首都に定めるまでの話です。
その間、台湾の人がどんな日常を過ごし、複雑な感情をいだきながら過ごしてきたのか、それがよくわかります。
耳が聞こえず話せない四男役のトニー・レオン(梁朝偉)は台湾語が話せないこともあってこの役になったとのこと。
だからこその絶妙な存在感と違和感がたまりません。

日本統治下の屈辱的な時代が去ったと思えば、今度は中国がやってきた。
期待から失望へ、台湾には再び暗く厳しい時代がやってきた。
そして台湾は民主化に向けて必死で一歩ずつ前に進み始めた。
その間の台湾を垣間見ることができます。

熱気の中を悲しみがただただ駆け抜けていく、そんな映画だったと思います。
私を含め、日本人は「台湾」について実に何も知らないのだと、ここ数年強くそう感じるようになりました。
どういう歴史のうえに今の台湾が築かれているのか、そこに興味を持つ人はどのくらいいるのだろう。
日本人の言う「親日台湾」とは一体どういうものなんだろう。
九份に行くならば1度、この映画を見てほしいし、あの時代の、あの頃の台湾に想いを馳せてみてはいかがでしょう。

それではまた明日。